記録的なコメの価格高騰と品不足が日本酒造りにも影響を及ぼしています。南アルプス市の酒蔵では来シーズンの仕込みに使う酒米の確保が難しくなっているとして頭を抱えています。 南アルプス市上宮地にある創業148年の老舗酒蔵「太冠酒造」です。取材に訪れた25日、今シーズン最後の出荷作業が行われていました。 いつもと変わらぬ作業の裏で、実は例年にない異常事態が。11月ごろから始まる来シーズンの仕込みに向け、この時期には見通しが立っているはずの酒米の確保が難航しているんです。 その原因はコメの流通量の減少と価格の高騰です。 太冠酒造 大澤慶暢 社長 「(生産者から)現段階だと価格が決められないので出来れば夏・秋くらいまで(契約を)伸ばしてほしいとの要望で価格も見通しが立たない状況。30年くらい前の不作の時よりも問題外の危機感がある」 太冠酒造では高級日本酒の原料となる「酒造好適米」は県内の契約農家の生産分を確保できています。しかし、比較的価格の安い日本酒の原料となる「加工用米」はみそやしょうゆ造りなどにも広く使われるため確保が難しく、さらに食用のコメと同様、価格が高騰しているのが実情です。 太冠酒造 大澤慶暢 社長 「(コメの)量が確保できないのが一番問題なので(日本酒の)生産量が見通せない。他県だが昨年の倍という価格も出ているので高いコメをとても買えない」 このまま価格高騰が続けば、値上げも避けられないといいます。 太冠酒造 大澤慶暢 社長 「主原料となるコメがものすごい値段になってしまえば、来年は日本酒ファンには非常に申し訳ないが(価格を)上げざるを得ないと思う」 “令和のコメ騒動”の余波は、ユネスコの無形文化遺産に登録された酒造りの現場にも及んでいます。
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