山梨県総合計画 第2回

今月は、去年12月に策定されました山梨県総合計画について、4回に渡りお伝えします。2回目は「人口の将来展望、人口ビジョン」について地域創生・人口対策課の中村直樹さんに伺います。
 
小松アナ:現在の山梨県の人口の現状について教えてください。
中村さん:いま、山梨県の総人口は81万1千人で、2000年の89万人をピークに年々減少しています。人口が減る要因には、死亡の数が出生の数を上回る「自然減」と、転出の数が転入を上回る社会減がありますが、2018年には、4,359人の自然減、2,454人の社会減となりました。このように、近年は、社会減と自然減がともに進行しています。注目すべき点は、就職期の若者、特に女性の県外転出が転入を大きく超えていることでして、これが県内で生まれる子どもの減少につながり、人口減少に拍車をかけているものと考えられます。
 
小松アナ:このままの現状が続くと将来的にはどうなってしまうのでしょうか?
中村さん:このままの傾向で、若者や子どもの世代がどんどん減っていきますと、地域の活力や、産業・経済の元気が失われていき、「暮らしにくさ」と「先行き不安」からさらなる人口流出につながるなど、人口減少の悪循環が拡大してしまうおそれもあります。そこで、今後の方向性としては、「女性活躍の推進」、「教育・子育て環境の充実」、「地域経済の底上げによる豊かな山梨の創造」の3つに重点を置いて、女性を中心とした若者や子育て世代をつなぎとめ、また、都会から山梨を目指していただけるように対策をとっていく必要があると思います。
 
小松アナ:人口減を食い止めるための山梨県のポテンシャルはどのくらいあるのでしょうか?
中村さん:山梨には、たとえば、暮らしに時間的・経済的なゆとりがある、仲間とのつながりが強い、子育てしやすい、都心にも短時間で行ける、といった強み、ひとことで言うと「やまなしライフの魅力」があります。これは、県外の人々にも十分アピールできる力を秘めていると思います。また、2020年代は、東京オリンピック・パラリンピックの開催、中部横断自動車道の南部区間の開通、リニア中央新幹線の開業など、本県にとって新たな人の流れを引き込む絶好の機会に恵まれています。将来的には、リニア中央新幹線が東京・名古屋・大阪の三大都市圏を結ぶことで、人口6千万人を抱える世界最大の大都市圏「スーパー・メガリージョン」が形成されていく、といわれています。山梨もその一部として、都市の活力を引き込みながら発展していけるポジションにあります。このように、山梨の持つポテンシャルは非常に大きいと考えています。今後山梨に訪れるチャンスをしっかりとつかみとるためにも、県民の皆様や企業・団体の皆様と問題意識を共有し、皆様とのパートナーシップのもと、就職期の若者や子育て世代の転入促進、暮らしやすい豊かな山梨の創造などの重要課題に取り組んでいきたいと考えています。
 

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