今月は「県民の暮らしに身近な話題」をお届けしています。今回は「食中毒防止」についてお伝えします。春になり、山菜が美味しい時期にもなりましたが、例年、有毒植物による食中毒も発生しています。県内でも、去年、ニラに似ているスイセンを誤って家庭で調理してしまった事例が発生しています。そこで今回は有毒植物による食中毒の注意点について、県衛生薬務課の佐藤茂さんにうかがいます。
小松アナ:気を付けなければならない有毒植物にはどんなものがありますか?
佐藤さん:有毒植物というと、毒々しい見た目の植物を想像するかもしれませんが、そういうものばかりではないんですね。例えば、花がなく葉っぱの状態のニラとスイセンのように、見た目がとても似ていて、公園や道端に植えられるような身近な植物の場合もあります。スイセンは、有毒植物で、食べると30分以内に、吐き気や嘔吐などの症状がでます。自宅の庭でニラを栽培し、その隣でスイセンも栽培したため、区別がつかずにスイセンを収穫して食べてしまい、食中毒になった事例が昨年は続きました。
小松アナ:ニラとスイセンが並んでいると区別が難しいですよね。
佐藤さん:スイセンはニラの他にもノビルやタマネギなどとも間違えやすいそうです。またよくギョウジャニンニクと間違えられるのがイヌサフラン。こちらも誤って食べてしまうと下痢や嘔吐、呼吸困難などを引き起こし、重症の場合は死に至ることもあり、昨年は県外でイヌサフランの食中毒でお二人が亡くなっています。ニラは、切ると独特のニラ臭がしますし、ギョウジャニンニクも葉を千切ってもむとニンニクの香りがするので判別ができますが、見た目はとても似ているので、注意して欲しいと思います。他にもチョウセンアサガオとモロヘイヤも識別しづらい植物です。詳しい違いや特徴等については、厚生労働省や県のホームページを見てください。
小松アナ:有害植物かどうかを見分けるのは難しそうですね。
佐藤さん:見た目だけでは、見分けにくい植物も多いので、野草や山菜を採るさいは、専門家と一緒におこなうようにしてください。そして実際に有毒植物による食中毒で、亡くなるかたもいますので、食用の野草と確実に判断できない場合は、「絶対に、採らない!」「食べない!」「売らない!」「人にあげない!」これらのことを守って欲しいと思います。また、間違って食べてしまうことを避けるために家庭菜園や畑などでは、野菜と観賞植物を一緒に栽培するのはやめていただきたいと思います。万が一野草を食べて体調が悪くなったら、すぐに医師の診察を受けてください。
小松アナ:県内では例年、4月から5月にスイセンやバイケイソウによる食中毒が発生しているそうです。みなさんも自分で判断することはせず、見分けに迷ったら、最寄りの保健所に相談してください。
次回は「春の交通安全運動」です。
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