俵転がし

今週のインデックスは…俵転がし


1月は県内の新年のお祭りを特集します。
1回目の今回は上野原市に伝わる俵転がしです。


俵転がしは上野原市鶴島に江戸時代から伝えられている、県内でも非常に珍しい小正月行事です。

どんど焼きの前夜に地区の小中学生が特製の俵を転がしながら家々を回り、おめでたい文句を囃しながら、土間や屋敷に俵を放り込んで無病息災や商売繁盛を祈り、お金や餅、お菓子などをもらう行事です。

駒門地区では
「千俵、万俵、七福神が舞い込んだ。」
と囃しながら米俵に杉の葉や、わらを詰め込んで作った大きな俵を大勢で転がし回ります。

俵転がしで家々を回るのは駒門地区の育成会に所属する小学1年生から中学3年生までの子供たち。平成26年度では小学生6人、中学生5人の合計11人となっています。この子供達が昼12時30分に地区内にある薬師堂に集合して俵を持ち地区内の家を一軒ずつ回っていきます。全ての家を回るため、おおむね60~70軒を夕方4時くらいまでかけて回ります。

ちなみに俵は非常に軽く作られていて、子どもでも十分に転がせるものになっています。この俵も代々引き継がれ、使った後は大切に保管して
翌年また使っているそうです。家々を回る際には正月飾りを回収し、翌日の朝から行われるどんど焼きに使っているとのこと。


そして上野原市といえば「酒まんじゅう」が有名ですね。
良質の小麦粉の産地として知られた上野原、その気候と水質は麹発酵による醸成に適するという事で古くから酒まんじゅうが作られてきました。

かつて旧上野原町は、甲斐絹の里として江戸と甲州の商人の出入りで賑わい、甲州街道沿いに市がたち、近隣の農家の人たちが織り上げた
甲斐絹が江戸で盛んに取引されていました。そんな中酒まんじゅうは、この市に集まった商人に愛され、味の良さも広く宣伝されていき、数件ある酒まんじゅう屋は、先を争って買う客で長い列が出来たといいます。

俵転がしで家々を回る子どもたちも酒まんじゅうを貰ったりするんでしょうか?寒い日に外で食べる酒まんじゅうはさぞ美味しいでしょうね。


俵ころがしのように古くから地域に受け継がれている伝統を守っていくことは地域の文化を守っていくこと。これから成長していく子ども達が参加する行事は今後も大切に受け継いでいって欲しいものですね。

皆さんもお住まいの地域にある伝統行事などに改めて注目し、新年という機会に参加してみてはいかがでしょうか?


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是非お楽しみ下さい!