今週のインデックスは…甲斐の黒駒
今月のインデックスは芸術・文化・健康の秋を特集しています。
今回は「甲斐の黒駒」です。
皆さんは、日本に馬がもたらされたのはいつ頃だと思いますか?
約5千年前にユーラシアの草原地帯で家畜化され、約3千年の時を経て日本列島に到達したモンゴルの馬、それが日本の在来馬のルーツとされています。
そして甲斐国、山梨県では、672年に起きた壬申の乱で「甲斐の勇者」という騎兵が登場。また、720年頃に書かれた『日本書紀』には「甲斐の黒駒」として朝廷に良馬を献上していたと記載されており、古代から名馬の産地として知られていました。
これは、甲斐国に古代朝廷直轄の牧場である御牧(みまき)があったことが大きな要因です。この御牧は茅ヶ岳や八ヶ岳山麓に広がっていました。
また、聖徳太子が甲斐国から献上された黒駒にまたがって奈良の都から富士山まで飛んだという「甲斐の黒駒伝説」も残されていて、この伝説が笛吹市御坂町の黒駒などの地名の由来となっています。
そしてみなさんも耳馴染のある言葉では、武田信玄が率いて戦国時代最強と恐れられた「武田騎馬隊」が挙げられます。
これらの山梨県と馬との関係が単なる伝説ではない証拠として、甲府市塩部遺跡からは「日本最古級の馬」が出土しています。
このように古代から関わりが深い山梨県と馬について知っていただくため、山梨県立博物館では、10月11日(土)~12月1日(月)まで、
企画展「甲斐の黒駒~歴史を動かした馬たち~」を開催しています。
軍事力や情報伝達の面で人類史に大きな影響を与えた馬の登場が山梨にもたらしたインパクトを探る
「馬が来た道」
古墳から出土した埴輪や馬具から当時の馬の姿を紹介する
「黄金の飾り馬~「高級車」流行する~」
名馬のブランド誕生の背景をひも解く
「甲斐の黒駒~名馬のブランド誕生する~」
最新の研究からその実像に迫る
「武田騎馬隊~戦国最強の実像をさぐる~」
など山梨と馬に関する興味深い企画展です。
また、木曽馬の乗馬体験や学芸員によるギャラリー・トークなどの企画も満載です。各種イベントの詳しい日時などは県立博物館のHPもご参照ください。
山梨県立博物館のホームページはこちらです。
秋は学びの季節。ぜひこの機会に博物館に出かけ、山梨と馬の歴史を紐解いてみましょう!
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!