宮光園

今週のインデックスは…宮光園


今月のインデックスは山梨のワインにまつわるウンチクを特集します。
初回は宮光園です。


宮光園は、山梨のワイン産業の先駆者である宮崎光太郎が現在の甲州市勝沼町の自宅に整備した、宮崎葡萄酒醸造所と観光ブドウ園の総称です。

現在では多く見られる、ブドウ棚の下でブドウを食べたり、ワインを飲む観光ブドウ園のスタイルは、宮光園から始まったと言われています。

遡ること明治10年。
現在の甲州市勝沼町下岩崎で有志によって設立された日本で初となるワイン醸造会社「大日本山梨葡萄酒会社」が解散した後、宮崎光太郎と、フランスでワイン醸造を学んだ土屋龍憲が同社の醸造用具一式を譲り受け、「甲斐産葡萄酒醸造所」としてワイン造りを始めます。

そして大正元年にはこの醸造所に観光ブドウ園として「宮光園」を創設し、昭和9年には「甲斐産商店」から「大黒葡萄酒(株)」へ組織を変更しました。その後も昭和天皇をはじめ皇族の方々、内閣総理大臣など政府関係者も多く見学に訪れ、山梨がワイン醸造のメッカとなる礎を築いていきました。

昭和22年に宮崎光太郎が死去した後、吸収合併を経て大黒葡萄酒のブランドはなくなりましたが、関係者から甲州市に寄付された土地建物が平成23年3月から一般公開されていて、在りし日の姿を垣間見ることができます。

現在残されている建物は明治29年に建築された和風建築ですが、昭和3年に2階部分を洋風に改築し、1階は純和風、2階は洋風という
大変趣深い建物でもあります。この建物は経済産業省の近代化産業遺産に指定されています。

また保存整備の際に発見された数々のフィルムは、当時のワイン醸造の様子や皇族が訪れた際の様子などが動画で収められている歴史的にも価値ある資料で、当時の生活を知る上でも大変貴重なものです。
この映像は宮光園の見学の際に見ることができます。

近年、山梨のワインは国内だけでなく国外でも高い評価を得るようになっています。山梨が世界に誇るワインの歴史を知り、親しんでいただく
ためにも是非お出かけになってみてはいかがでしょうか。


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「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。

是非お楽しみ下さい!