今週のインデックスは…ほたると水防の森
山梨市の「万力公園」。
地域の憩いの場であるこの公園は、万葉集に詠われた植物100種類以上が生育する「万葉の森」としても知られています。緑豊かな園内には、様々な万葉植物が季節ごとに彩り豊かな表情を見せてくれます。
そんな万葉の森は度重なる水害を防ぐために造られた水防の森でもあります。
万力公園の北、笛吹川に突き出た独特の地形である「差出の磯」は、竜王堤、近津堤(ちかつてい)とならび、甲州三大水難所の一つに数えられてきました。
この辺りは江戸時代から明治時代にかけて何度も水害に遭い、その度にアカマツなどが植えられ、地元の住民たちの手により水防の森が形成されました。
笛吹川の反乱を防ぐために造られた森は、時代の移り変わりとともに遊歩道や噴水広場、動物広場などが備えられ、憩いの森に変わっていったのです。
時代の変化とともにホタルの舞う姿が少なくなっていた万力公園ですが、約20年前から地域の皆さんが、ホタルの舞う風景を取り戻そうと、子どもたちが参加して行われる「ホタルの幼虫放流会」などの保護活動を進めた結果、毎年6月中旬になると、「水辺の広場」を中心とした園内の小川で、たくさんのホタルが発生し、幻想的なホタルの乱舞を多くの人が楽しめるようになりました。
さて6月は土砂災害防止月間です。
水防の森が生まれたように、私たちが住む山梨県は、周囲を急峻な山々で囲まれているため、大雨が降ると、河川は急激に増水。土砂や石が流れ、災害が起きる恐れがあります。
土砂災害から身を守るために「日頃の備え」と「早めの避難」が合い言葉です。
万力公園でホタルを体感するとともに、先人たちが築いた水防の森で、防災意識を高めてみてはいかがでしょうか。
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!