塩澤寺のお地蔵さん

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2月になり厳しい寒さが増す県内ですが、山梨に春を呼ぶお祭りが各地で開催されています。そのひとつに「厄除地蔵さん」の愛称で知られている、甲府市湯村にある塩澤寺の「厄除地蔵尊祭」があります。護摩を焚き、開運厄除・家内安全を祈ります。

毎年2月13日の正午から行われるのですが、なぜ13日の正午から行われるのでしょうか?
実はここ塩澤寺のお地蔵さんは、その13日の正午から14日の正午までの1日、耳を開き願い事を聞いてくれると伝えられているのです。

このお祭りでは、年の数だけお団子など円いものをお地蔵さんにお供えするという風習があるのですが、いつのころからかお団子だけでなく節分のお豆とか一円玉などもお供えするようになったそうです。きっとこうした円いものをお供えする風習には、厄や災いを円く納めるという願いがあったのでしょうか。

塩澤寺の歴史は古く、およそ1200年前にさかのぼります。大同三年、808年、真言宗の祖・弘法大師空海上人が諸国を行脚した時に、この湯村の地で厄除地蔵菩薩の霊験を感じ、6寸あまりの坐像を彫刻し、その尊像を開眼したのが始まりとされています。

ちなみに塩澤寺は、今の「湯村」という地名にも大きく関係があったそうです。1643年、江戸時代初期の頃、時の天皇の息子であった良純親王(りょうじゅんしんのう)が、京都を追われて甲斐の国に流された時に、その住まいがあったのが湯村。その当時の湯村は、「湯島村」と呼ばれていましたが、「島」という字があると島流しのようであることから、良純親王を気遣って「島」をとり、「湯村」に改名したといわれています。

その後、良純親王は地蔵尊を拝して、祭りを盛んにするなど塩澤寺の興隆に関わり、晩年、その願いがかない京都に戻ることができました。今も昔も願い事を聞いてくれるのですねconfident

さて例年、塩澤寺の厄除地蔵尊祭りは、所狭しと数多くの露天が並び、参拝客で賑わいます。今年もおよそ180の露店が並び、とても盛り上がりそうです。寒い時期ではありますが、そんなお祭りの賑わいに春の訪れを感じながら、是非あなたのお願いもお地蔵さんに聞いてもらってみてはいかがでしょうかhappy01


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