今週のインデックスは…白鳥伝説
標高568m。山梨百名山の中で一番低い白鳥山。
山頂からの展望は良好で駿河湾・富士山・御坂山塊・富士川・南アルプス北岳などを眺めることができ、山頂までの遊歩道は階段が整備され、気軽に登山を楽しむことができます。山頂付近の白鳥山森林公園は、パリのモン・サン・ミッシェルも登録されている素敵な恋のパワースポット「恋人の聖地」として県内外から多くの登山者が訪れています。
そんな白鳥山の麓、南巨摩郡南部町万沢にはある飛来伝説が残っています。それが白鳥山の名前の由来にもなった白鳥伝説です。
鎌倉時代の中ごろ、一羽の白鳥がこの山に住みつきます。以来地鳴りや山崩れが次々と起き、村人たちを苦しめます。白鳥はヤマトタケルノミコトの化身。恐れた村人たちは、白鳥天神を建て、白鳥とヤマトタケルノミコトの霊を祀ります。それ以降は村に平穏がもどったそうです。
そして興味深いのですが、国境を隔てた静岡側にも「ヤマトタケルノミコトが東征の帰路、この地で没し、亡骸が白鳥に姿を変え西方に飛び去った」という伝説があるそうです。
同じ地域に似た伝説があるのも歴史ロマンが駆り立てられます。実際にヤマトタケルノミコトが現れていたのでしょうか。
白鳥伝説に出てくる白鳥天神は、静岡県との県境、国道52号甲駿橋に近い白鳥山山腹にあります。山梨県神社庁にも登録のない氏神さんで、創建時期も不明です。古い石積みの道を登っていくと、方二間の素朴な社殿が現れます。社碑や案内板といったものはなく、竹林と杉木立に囲まれ、静寂な空気に包まれているそうです。
心地よい陽気が待ち遠しいこの時期ですが、春の行楽シーズンに向けて古代ロマンを秘めた白鳥山を探求してみるのはいかがでしょうか。
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2014年2月アーカイブ
今週は予定を変更して大雪による被害を防ぐための注意点などをお送りします。
先に本県を襲った未曾有の雪。
人的にも物的にも大きな被害をもたらしました。
既に数日が経過していますが、今後も2次災害に気をつけなければなりません。
そこで、今週のINDEXでは、私たちがこれから注意すべきポイントをご紹介します。
① 除雪作業
・除雪の際には、手袋や長靴は滑りにくいゴム製のものを着用するようにしましょう。
・除雪した雪を水が流れている側溝・用水路などに捨てないでください。雪で流れが詰まり、あふれ出してしまう可能性があります。
・雪おろしが必要な場合には、必ずヘルメットを着用してください。また、屋根に登る際には命綱を忘れないでください。
・気温が高いときは、屋根の雪が緩んで滑りやすくなり事故が起きやすくなります。雪解け水や雪が動く音に注意し、できれば雪おろしは控えましょう。
② 外出時の注意
・軒下のそばには近づかないようにしましょう。屋根から雪がすべり落ちてくることがあります。また、軒先にせり出した雪が崩れてくる場合もあります。ちょっとした大きさの雪でも、重さは数十キロ以上に達することがあります。
・短時間で多くの雪が降った場合や気温が上昇した場合、急な斜面や積雪の多い斜面では雪崩が起こりやすくなりますので、できる限り近づかないようにしましょう。
・用水路などへの転落には注意してください。雪で見えにくくなっていて、踏み抜いてしまうこともあります。また、この時期は水かさが増して、流れが速くなっていることも考えられますので十分に注意してください。
③ 車の運転
・不要不急の車での外出は控えましょう。緊急車両の通行の妨げになる場合があります。
・急ブレーキ・急ハンドルはスリップして車をコントロールできなくなることがあります。早めの操作を心がけ、余裕を持った運転をしましょう。
・早めのブレーキを心がけましょう。雪道は滑りやすいため、乾燥路面と同じ感覚でブレーキをかけても思ったように止まれないことがあります。また、急ブレーキをかけると車が左右に振られたり、場合によってはスピンを引き起こすこともあります。
・トンネルの出入り口付近や橋の上は凍結しやすくなっています。また早朝や交通量の多い交差点付近も、踏み固められた雪や氷が磨かれて、滑りやすくなっていますので注意してください。
ご紹介した以外にも、野外での作業や外出の際には多くの危険が潜んでいます。
雪による事故を未然に防ぐため、十分な備えを欠かさないようにお願いします。
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今週のインデックスは…松本のお天狗さん
日差しもだんだんと強くなり、川縁の猫柳の花穂が大きくふくらんだなど、春の便りがあちらこちらから届くようになりました。この季節、山梨県内では春の訪れを告げるお祭りがあちらこちらで開かれています。
その中に、笛吹市石和町松本の山神宮(さんじんぐう)の春の例祭があります。このお祭り、かつて天狗が山の神として住民や信仰者を守ったことから、「お天狗さん」と言われるようになり、昔から地元の人たちに親しまれています。
もともと山神宮の例祭は、およそ300年以上前から行われていたとも言われていて、毎年、2月と8月の21日に開かれていました。しかし今では2月21日の春の例祭だけになってしましました。
また、山神宮に祀られている神様は、大山祇命(おおやまつみのみこと)で、火伏の神、家運繁栄の神として広く信仰を集めています。その他にも月読尊(つきよみのみこと)、稚産霊命(わくむすびのみこと)、宇気母智命(うけもちのみこと)を合祀しているそうです。昔の人は、五穀豊穣や養蚕守護といった生活に密接した願いなどを、それぞれの神に祈願していたのですね。
さて山神宮は、上社と下社に分かれています。下社脇の石鳥居のある参道を登りはじめ、20分ほど歩くと傾斜のきつい160段にものぼる階段が表れ、それをさらに上りきると、拝殿と本殿がある上社になります。上社までの山道や階段は、結構きつく感じますが、がんばって登った分霊験あらたかな思いでお参りすることができます。
今月21日に行われる春の例祭では、午前0時からこの上社で矢立を型どった「金字札」が配られます。このお札、幸運をもたらす縁起物として人気をあつめています。当日は多くの参拝者がお札を求めて詰めかけます。
今年一年の幸運を願いに、松本の天狗さんにお参りされてみてはいかがでしょうか
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今週のインデックスは…塩澤寺のお地蔵さん
2月になり厳しい寒さが増す県内ですが、山梨に春を呼ぶお祭りが各地で開催されています。そのひとつに「厄除地蔵さん」の愛称で知られている、甲府市湯村にある塩澤寺の「厄除地蔵尊祭」があります。護摩を焚き、開運厄除・家内安全を祈ります。
毎年2月13日の正午から行われるのですが、なぜ13日の正午から行われるのでしょうか?
実はここ塩澤寺のお地蔵さんは、その13日の正午から14日の正午までの1日、耳を開き願い事を聞いてくれると伝えられているのです。
このお祭りでは、年の数だけお団子など円いものをお地蔵さんにお供えするという風習があるのですが、いつのころからかお団子だけでなく節分のお豆とか一円玉などもお供えするようになったそうです。きっとこうした円いものをお供えする風習には、厄や災いを円く納めるという願いがあったのでしょうか。
塩澤寺の歴史は古く、およそ1200年前にさかのぼります。大同三年、808年、真言宗の祖・弘法大師空海上人が諸国を行脚した時に、この湯村の地で厄除地蔵菩薩の霊験を感じ、6寸あまりの坐像を彫刻し、その尊像を開眼したのが始まりとされています。
ちなみに塩澤寺は、今の「湯村」という地名にも大きく関係があったそうです。1643年、江戸時代初期の頃、時の天皇の息子であった良純親王(りょうじゅんしんのう)が、京都を追われて甲斐の国に流された時に、その住まいがあったのが湯村。その当時の湯村は、「湯島村」と呼ばれていましたが、「島」という字があると島流しのようであることから、良純親王を気遣って「島」をとり、「湯村」に改名したといわれています。
その後、良純親王は地蔵尊を拝して、祭りを盛んにするなど塩澤寺の興隆に関わり、晩年、その願いがかない京都に戻ることができました。今も昔も願い事を聞いてくれるのですね
さて例年、塩澤寺の厄除地蔵尊祭りは、所狭しと数多くの露天が並び、参拝客で賑わいます。今年もおよそ180の露店が並び、とても盛り上がりそうです。寒い時期ではありますが、そんなお祭りの賑わいに春の訪れを感じながら、是非あなたのお願いもお地蔵さんに聞いてもらってみてはいかがでしょうか
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