この岩は、源頼朝が武道訓練をしたという的様の伝説が残されていて、地元の人々に昔から親しまれています。
そもそも、的様の伝説とは何かというと、
そこで頼朝が大喝一声、「樫と椿が暗かろうぞ」と怒りを込めて睨むと、樹木は見る間に勢いを失い、葉は萎びて枝は折れ下がり、やがて枯れ果てていきました。
頼朝は「さもありなん」と豪弓に矢をつがえて放ったところ、標的に見事命中。そしてその標的が倒れるとき、三ヶ所の岩に跡が残り、それ以後、村人は「的様」と呼ぶようになったそうです。
「的様」は一の的・二の的・三の的と室久保川の下流から上流の岩盤に鮮やかに残っていました。しかし、台風災害によって、一の的と二の的は埋まって消えてしまい、現在では「三の的」だけが川の底に見られます。
さて、的様と呼ばれるこの岩のすぐ下流に滝があります。この滝は、落差があまりないものの、滝幅が広く、水量が豊富で水が非常に澄んでいて「的様の滝」と呼ばれています。
木々の隙間から差し込む光に照らされた時などは、美しい光景を演出する滝で、とっても幻想的です。
また、この的様の滝は、正式名称ではないのですが、「的様」のすぐ下にあることから、
「的様の滝」として定着したそうです。
五穀豊饒と雨乞いの神様として今でも祭られている「的様」は、滝の名称にも影響をあたえたんですね。
夏本番となりました。
厳しい暑さが続きますが、「涼」を感じに「的様の滝」にでかけてみてはいかがでしょうか?