今週のインデックスは・・・鶯宿峠(おうしゅくとうげ)のリョウメンヒノキ
笛吹市の、芦川町と境川町の間にある「鶯宿峠」。
芦川町内、登山道西側に立っているリョウメンヒノキは、
昔から「鶯宿峠のナンジャモンジャ」として地元の人から親しまれてきました。
「ナンジャモンジャ」というのは、学術的によく分からない木の呼び名です。
この木は、葉がヒノキに似ているがヒノキではなく、
またコノデガシワに似ているがコノデガシワでもない・・・、
つまり、何の木なのか分からないということで「ナンジャモンジャ」と呼ばれていました。
そのサイズは、幹の回り3.45m、高さ17m、枝張りは東西13m、南北11mと、とっても大きなものです。
伝説によると、この木は鶯宿集落の先祖と言われる足利氏の末裔の落人が、ここを通ったときに植えたものとされています。
このナンジャモンジャの木に学術的な名前が付いたのは昭和3年。
日本の植物学の父とよばれる「牧野富太郎」博士が、
この木を「ヒノキ」の変種として「リョウメンヒノキ」と命名しました。
通常、ヒノキの葉は表裏の区別がはっきりつくのですが、この木は葉の裏表が区別しにくいこと、コノテガシワに似ているけれどヒノキの形質を持つことが、その名の理由です。
ちなみに、市川三郷町にも「四尾連湖のリョウメンヒノキ」と呼ばれるリョウメンヒノキがあるんです。
どちらも県の天然記念物に指定されています。
さて、「ナンジャモンジャ――リョウメンヒノキ」で知られる笛吹市芦川町は、
若彦トンネルの開通と農産物直売所「おごっそう家」の開店をきっかけに、近年、多くの人が訪れています。
「おごっそう家」では芦川特産の「こんにゃく」が特に人気を集めています。
そのほか、芦川の見どころに、兜造の民家郡があります。
その数およそ150棟、江戸時代初期に建てられた民家もあるんです。
兜造というのは、光と風を取り入れるために、屋根の一部を切り上げた家の造りのこと。
かつて、芦川では養蚕が盛んで、蚕にとってよい環境を作るために、この様式の家が多く造られました。
近年では、再生・活用される兜造りの民家も存在しています。
さらに、谷間の地であることから、石垣で作られた段々畑も芦川の景観の特徴です。
周囲の山々、兜造の民家、そして石垣と、芦川には日本の原風景が広がっています。
四季折々の芦川をみなさんも訪れ、ゆっくり歩いて楽しんでみてはいかがですか
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!