今週のインデックス…ひなづる漬
秋から冬にかけて、大根やニンジン、山芋といった根菜類の多くが収穫を迎えます。
漬けものにして楽しむという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回紹介する、「ひなづる漬」もその一つ。
上野原市秋山地区で昔から栽培されている、「長かぶ」を醤油漬けにしたものです。
地元で自家用に作られていた漬物をベースに、昭和58年から秋山地区の特産品として生産されています。
ひなづる漬に使われるのは、「東京長かぶ」という品種。
大根のような形で地下の部分の長さが20センチ程度の長かぶを使用します。
栽培にあたっては、毎年希望者を募り、栽培面積に応じて種子を配り、収穫されたものを秋山地区の特産農産物振興協議会が買い取って商品化しています。
収穫された長かぶを水洗いした後、3週間ほど塩漬けにし、最後に醤油で味付けをして漬け込み、「ひなづる漬」の完成となります。
ところで、「ひなづる漬」という名前は、
村に伝わる伝説の主人公「雛鶴姫(ひなづるひめ)」にちなんで付けられました。
雛鶴姫というのは、鎌倉時代末期から建武の新政期の人物である、護良親王(もりよししんのう/もりながしんのう)の寵愛を受けたお姫様です。
動乱のさ中、親王は鎌倉で首をはねられ無念の最期を遂げます。
雛鶴姫は、親王の首を携え、鎌倉を逃れて京へ向かうのですが、折しも親王の子どもをお腹に宿しており、秋山地区まで逃げて来たときに産気づいてしまいます。
出産したものの、年末の凍てつく寒さと飢えで、雛鶴姫と生まれたばかりの子どもは亡くなってしまった・・・というものです。
この話は伝説で、文献や資料を用いた実証は困難とされていますが、
「雛鶴峠」、「雛鶴街道」、「雛鶴神社」という場所は現在でも存在しています・・。
そんな「ひなづる漬」、一般的な大根やかぶの漬物とは一味違った、甘辛い風味や歯切れの良さなどから年々人気が高まっています。
毎年、12月中旬から4月中旬にかけて、上野原市内のスーパーなどで購入することができます。
雛鶴姫の伝説にちなんだ場所を訪れながら、旬の味覚・ひなづる漬を買い求め、目で、舌でその地域を感じてみるのも、山梨の冬の楽しみ方ですね
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!