今週のインデックスは・・・円野かかし祭り
沿道のススキがそよそよと棚引き、秋の訪れを感じさせてくれますね~
収穫の時期を間もなく迎える田畑に目を向けると、あちらこちらで案山子(かかし)を目にすることができます。
韮崎市円野町では、この案山子を使ってユニークなお祭りを開催しています。
その名も「円野かかし祭り」。
このお祭りは、1994年に地域活性化を目的に「平成かかしカーニバル」という名前で始まりました。
3年前に「円野かかし祭り」と改め、展示が中心のお祭りとなっています。
のどかな田園風景の中、今年は27タイトル・97体の案山子が展示されています。
毎年、世相を反映させたかかしが登場し、話題を集めているんですよ。
例えば、今年は直木賞を受賞した笛吹市出身の作家・辻村深月さんや競泳で3つのメダリストに輝いた山梨学院大学の鈴木聡美選手など。
どんな姿に仕上がっているのか一度見てみたいですよね
展示は9日まで行われていて、最終日には「かかし大賞」ほか、各賞の表彰式が行われます。
ところで、通常は人に見立てた形をしている案山子ですが、昔は髪の毛や魚の頭などを焼き、串に刺して田畑に立てたものでした。
その悪い臭いで鳥や獣を追い払っていたことから、これを「嗅(か)がし」と呼び、これが「案山子」の名前の由来となりました。
また案山子は、田んぼの神様が案山子に乗り移り、鳥獣などの悪霊を払うとも考えられていました。
農作物は農家の生活の糧で、農家の生活守る役割を与えられた案山子は重要な存在でした。
古事記のなかでは案山子は「久延毘古(くえびこ)」という農業を司る神様とも考えられていたんですよ。
役割を終えた案山子は「案山子上げ」と呼ばれる行事で一年の労を感謝して神様として見送られます。
長野県や山梨県の一部の地域では、いまでもこの風習が残っているそうです。案山子は動物を傷つけたり、命を奪ったりすることなく農作物を守る農家の知恵だったんですね。
さて、今月20日~26日は「動物愛護週間」です。
山梨県では毎年イベントを開催し、動物愛護や命の大切さについて理解を深めてもらう取り組みを実施しています。
今年は「ともに生きる」をテーマに9月23日(日)の午前10時~午後3時まで、アイメッセ山梨でイベントが開かれます。
案山子で野鳥などを追い払うことからも分かるように、私たちの先祖は野生動物と共に生きる方法を昔から探ってきたんですね。
その志を私たちも大切にしていきたいですね
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!