今週のインデックスは・・・芦安堰堤
立秋も過ぎて、季節の上ではもう秋。
例年、この時期以降、台風が日本列島に上陸したり近づくことが多くなります。
今日は、南アルプス市の、芦安堰堤のすぐそばに来ています
山が迫り、いよいよ渓谷に入っていくといった感じです。
堰堤とは、「砂防ダム」などとも呼ばれますが、渓谷や渓流にダムのような構造物を造り、土砂の流出や河川の浸食を防ぐことにより、下流域への土砂災害を未然に食い止める役割を担っています。
さあ、芦安堰堤の目の前にやってきました!
川幅いっぱいに一つ一つ形の違う石が壁のように積まれています。
高さも相当ありますね~
芦安堰堤は、明治末期に起きた大水害を契機に造られたものですが、
注目すべきは、国内初のコンクリートでできた砂防堰堤ということです。
それまでの堰堤は、石を積んで造られていたため、ひとたび大雨などで川が増水すると、
水の勢いで石積みが破損してしまったり、流されてしまったりしていました。
そこで、当時、土木工事などでも普及し始めていたコンクリートを使用し、
10年の歳月をかけて造りました。
コンクリートによる堰堤は、それまでの石積みと違い、水の勢いにも強く、
恒久的な機能が期待できます。
コンクリートで造られた芦安堰堤は、
大正時代の建設から90年近く経った今でも、災害を防ぐ役割を果たしています。
コンクリートに混ぜる石や砂利は、周辺の河原から調達しましたが、
要となるセメントは、東京深川のセメント工場から、汽車で竜王駅まで運ばれ、
竜王からここ芦安までは、荷馬車と人力で運搬されたそうです。
大変な労力だったでしょうね
芦安堰堤は国内初のコンクリート砂防堰堤として、
平成9年に国の有形文化財に登録されているんです。
長きにわたり、芦安堰堤は、下流域を災害から守っています
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!