今週のインデックスは・・・赤沢宿
本格的な夏の到来とともに、登山などアウトドアに出かける方も多くなってきました。
アスファルトに囲まれた市街地を離れて山や高原に行くと、肌に感じられる風がとても心地いいですよね
今回ご紹介する赤沢宿も自然が豊かな場所。
山梨県の西部・早川町にあるかつての宿場町です。
標高400メートルにある山あいの集落が宿場町として栄えた理由、それは、山を崇拝の対象とする「山岳信仰」にあります。
江戸時代中期、山岳信仰を目的とした旅行が人気を集めていました。
人々は、各地に「講」と呼ばれる組織を作り、山に登って神々を崇めました。
日蓮宗総本山の身延山久遠寺もその一つ。日本全国から参拝者が訪れました。
身延山久遠寺への参拝と、その裏側にある七面山への登山はセットで行われ、
赤沢宿は身延講の発展とともに、身延山と七面山を結ぶ唯一の宿場町として繁栄していったのです。
最盛期である明治初期の赤沢宿には、小さな集落にもかかわらず、「軒」もの旅館が立ち並んでいました。
その特徴は、軒下にかかる「講中札(こうじゅうふだ)」と室内の「長い土間」。
講中札とは、各組織が指定旅館として宿を定めた証の標札です。
400人もの人が宿泊できるにも関わらず、ピーク時には客室だけでは間に合わず穀物蔵まで利用していたそうですよ。
また、長い土間は、大勢の参拝者が一斉に草鞋(わらじ)を脱いだり履いたりできるように工夫されたものです。
現在の赤沢宿は、自動車道が整備され、参拝客が七面山登山口へ直行できるようになったことから、営業している旅館はたった1軒しかありません。
でも、営業していない旅館の軒下にもいまだ「講中札」が残されていて、その間を走る石畳とともに、十分に当時の名残を感じることができます。
この素晴らしい町並みは、平成5年、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれ、高い評価を受けているんです。(県内では赤沢宿のみです。)
また、8月11日土曜日から16日木曜日まで、お盆の伝統行事を赤沢青年同志会が復活させた「千灯祭」(せんとうさい)が行われます。
石畳の両側に約300張りの提灯が並び、赤沢宿の町並みを幻想的に照らすイベントです。
赤沢宿のように、県内には豊かな自然と歴史を感じることができるスポットがたくさんあります。
この夏を利用して、ぜひ皆さんもふるさとの名所を訪ねてみませんか?
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!