今週のインデックスは・・・逆さ富士
いよいよ今週の日曜日(7月1日)、富士山の山開きを迎えます。
この日を今か今かと待ち望んでいた人も多いのではないでしょうか
富士山は遙か昔から神聖な場所として崇められてきました。
平安初期、富士山の噴火を鎮めるために「浅間神社」が建てられ、その後富士山は
修験道の道場として使われるようになります。
室町時代に登山道が開かれると、富士山は参拝する山として庶民に広く知られるようになりました。
これが富士登山の始まりです。
登山道には参拝者が宿泊する施設もあったんですよ
江戸時代になると、「富士講」と呼ばれる信仰が民衆から支持されました。
これは、富士山の麓を私たちの住む俗界、山頂を神様の住む世界・死の世界と位置付け、登山で往復すればこの世の罪と穢れを消すことができるというものです。
この考え方は、いまも形態を変えながら残っていて、毎年夏になると多くの人々が富士山を訪れます。
どんなに時代が移り変わっても、富士山はその圧倒的な美しさと荘厳さで私たちの心を捉える存在なんですね
甲州三坂水面
そんな富士山の景観の中でも特に人気がある場所が富士五湖周辺です。
間近で富士山を見られることに加えて、富士五湖の水面に、富士山が逆さに映る光景は
格別です。
これが「逆さ富士」。
葛飾北斎の富嶽三十六景の「甲州三坂水面」など様々なところで、この逆さ富士が描かれています。
みなさんもお馴染みの1000円札にも描かれているんですよ。
デザインの元になったのは、富士山写真の先駆者と言われている写真家・岡田紅陽氏
が本栖湖に映る逆さ富士を撮影した「湖畔の春」という作品です。
その撮影ポイントを探してみるのも富士山の楽しみ方の一つですよね
逆さ富士の撮影は、プロ・アマ写真家を問わず人気ですが、
早朝の澄んだ空気の中で撮るのが、綺麗に撮れるコツなんだそうです。
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪と四季を通して楽しめますよ
さて、現在山梨県では、静岡県と合同で、富士山の世界文化遺産登録に向けて、様々な取り組みを実施しています。
富士山の世界文化遺産としての価値は、富士講などを始めとする「信仰の対象」や富嶽三十六景などの「芸術の源泉」にあります。
世界文化遺産登録への気運が高まりを見せているいま、改めて歴史を振り返ってみると、富士山の魅力を再発見できますよ。
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!