今週のインデックスは・・・農鳥
新緑美しい季節となりました。
燦燦と降り注ぐ太陽の光を浴びて、富士山の麓の雪もそろそろ解け始める頃ですね。
農鳥とは、富士山の山肌に現れる雪の形のこと。
富士山の雪解けとともに富士の山肌に残雪で創られた「鳥」の形が浮き上がります。
富士北麓地域では、鳥の形がはっきりと現れたときと、田植えの季節が重なることから
「農業の鳥」、略して「農鳥」と呼ばれるようになりました。
そして現れた「時期」によって、その年の天候や吉凶を占いました。
例年農鳥は、田んぼに水が引かれる5月から6月ごろ、富士吉田市から見ると富士山の
8合目(標高2900メートルから3000メートル)付近の北西斜面にその姿を現します。
今年は、1月30日に鳥が羽ばたくような模様が現れ、この時期に
春の風物詩「農鳥」が確認できるのはとても珍しいと話題になりましたね。
これは、冬場の強風で周りの雪が吹き飛ばされてできたもので、
「寒中の農鳥は人を食う」として凶兆ともいわれていましたが、
最近では「新春の農鳥はむしろめでたい」と言われているんです。
現れる「形」は時期によってさまざま。
3月頃の早春には「鳳凰」、5月頃の初夏には「ひよこ」や「たまご」、
時期によっては「牛」の形になったりもするんです。
ちなみに、現在、農鳥は、農業の目安というより、その形を楽しむ季節の風物詩の意味合いが強く、「雪形(ゆきがた)」と呼ぶのが一般的になっています。
さて、農鳥などの雪形に例えて親しまれてきた富士山は、昔から竹取物語や万葉集、
冨嶽三十六景など、さまざまな形で表現されてきました。
富士山にまつわる伝説や伝承も数多く残されていて私たちの精神と深く結びついてきたんですね
もうすぐ夏山シーズンが到来します。
富士山が山開きを迎えると、国内をはじめ海外からもたくさんの観光客が訪れ、ここ数年「20万人以上」の登山客で賑わっています。
周辺には、鳴沢風穴や忍野八海などの山梨の自然を満喫できるスポットがあり、富士北麓地域は行楽地としても人気があります。
このように愛され、敬われてきた富士山は、日本文化の創造に欠かすことのできない存在です。
そしていま富士山の2013年の世界文化遺産登録を目指してさまざまな取り組みが行われています。
富士は日本一の山・・・が早く世界の山になるといいですね
農業の目安として、昔から親しまれてきた農鳥。
富士山の山肌にできる、季節ごとに変わる雪形をあなたも探してみてはいかがですか。
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!