きょうのインデックスは…矢立の杉
東京・日本橋から下諏訪までを結ぶ甲州街道のちょうど中間地点にあたるのが笹子峠。
標高は1096メートル、笹子峠は甲州街道一の難所でした。
ここから東へ800メートルほど下がったところに「矢立の杉」があります。
矢立の杉は、高さ28メートル、幹回り9メートル、
根回り14.8メートルの県下有数の大木です。
樹齢千年を超すというこの杉は、昭和35年に県の天然記念物に指定されました。
戦国時代、笹子峠を通って合戦に向かう武士達が出陣のときに
この杉に「矢を射立てて」戦勝を祈願したことがその名前の由来といわれています。
また、滝子山の山頂から西に向かって射た矢がこの杉に突き立ったことが由来とも言われています。
江戸時代なって甲州街道が整備されると、矢立の杉は、行き交う人の憩いの場として人気のスポットになったそうです。
この時代の末期の浮世絵師「葛飾北斎」や「二代目歌川広重(安藤広重)」の絵にも
この杉が描かれていることから、広く知られていたことが伺い知れます。
歌川広重の「諸国名所百景」に描かれた「矢立の杉」は、この杉の麓で「峠の力餅」として売られていたという、大月市の特産品「笹子餅」のパッケージになっています。
ちなみに、「矢立の杉」を題材にした唄があるのをご存知ですか?
歌手で俳優の「杉良太郎」さんが平成20年にシングル「矢立の杉」を発売しました。
矢立の杉との運命の出会いをしたという杉良太郎さんは、この杉を題材とした芝居の脚本を制作し、同時にこの歌も作ったそうです。
この年、杉良太郎さんは、芝居の中に出てくる地蔵をこの地に奉りたいとの思いで、
「身代わり両面地蔵菩薩(杉良太郎菩薩)」を寄贈したそうです。
この地蔵の裏には
『自分のために生きる虚しさ 人のために生きる幸せ』
との文字が刻まれています。
大月市には、こんなかわいいグッズもあるんですよ!
さて、ひと雨ごとに暖かくなりいよいよ春の観光シーズンの到来ですね!
矢立の杉をぜひ皆さんに見ていただきたいのですが、いくつかお願いがあります。
県道(日影笹子線)は大月市笹子町から矢立の杉まで向かうことは可能ですが、
路面の凍結や落石にご注意ください
なお、矢立の杉から甲州市大和町までは、昨年9月の台風による土砂崩れや積雪の影響で通行止めになっています。
また、火の始末、ゴミの投げ捨て、不法投棄などもご注意いただき、観光資源を大切にして頂くとともに、交通情報、気象情報に細心の注意を払って、安全な観光に心がけてください!
悠久のときを経て、この地で人々の暮らしを見守ってきた巨木「矢立の杉」。
今もなお、ダイナミックな存在感で多くの人を魅了し続けています
アクセス方法は富士の国やまなし観光ネットのホームページをご覧ください。
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!