きょうのインデックスは…甲州街道
甲州街道は日本橋を起点に、長野県の下諏訪まで伸びる五街道のひとつです。
写真:山梨県立博物館提供
五街道とは、甲州街道をはじめ、東海道、中山道、日光街道、奥州街道のつ。
徳川家康が江戸時代、全国を支配するために江戸と各地を結ぶ道を整備し始めました。
五街道には、宿駅・伝馬制度に伴って、旅人を泊めたり、荷物を運ぶための人や馬を集めておいた宿場があったり、幕府の公用をこなす為の馬が置かれたりしていました。
甲州街道は、全長およそ220キロ(55里)、終点の下諏訪まで含めると45の宿場が、県内には上野原宿から教来石宿までの25の宿場がありました。
いまでも、鳥沢や勝沼など、かつての宿場を感じさせる地区もありますよね!
写真:山梨県立博物館提供
他の街道とは違って特徴的なのは、
甲州街道は、江戸城陥落の時の将軍の避難路として使われることを想定されていたこと。
これは、甲府藩が徳川家の直系にあたる親藩だったこと、また避難した後に、江戸城奪還を図るためと言われています。
そのため、沿道である四谷には鉄砲百人組などが配置されていました。
写真:山梨県立博物館提供
1700年ごろ、甲府に甲州金などの金座がおかれると甲州街道はさらに重要な交通路となっていきました。
♪ズイズイズッコロバシゴマミソズイ・・・の歌で知られる、宇治茶を徳川将軍家に献上するための御茶壷道中は、中山道と甲州街道を利用して、京都から江戸まで13-14日もかかったそうですよ。
東海道ルートを使っても12日間、今の物流スピードとは比較にならないほどノンビリしていたんですね。
現在、東海道新幹線では、東京・大阪間をのぞみを使えば、「138分」で走ります。
また建設が決まったリニア中央新幹線では、東京・大阪間を、新幹線のさらに半分の
「67分」で結ぶという計画です。
二酸化炭素排出量も、航空機の3分の1程度で環境に優しい新時代の交通機関といわれています。
2027年には東京・名古屋間が、2045年には東京・大阪間が開通する予定です。
そのため県では、リニア建設推進本部やリニア活用推進懇話会において、昨年県内への設置が決まったリニア新駅周辺の整備、駅からの交通アクセスといった基盤整備など、
リニアを活用した県土づくりに向けた検討を進めています。
江戸時代、国内有数の主要道路とされ、東海道のバイパス的な役割を果たした甲州街道。
時代の変遷を経て、その姿をリニアモーターカーに変えようとしています。
日本の新たな大動脈として、山梨の未来を担っています。
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!
2012年2月アーカイブ
きょうのインデックスは・・・富士山の日
「ふじは日本一のやま~」
ということで、山梨県では昨年、富士山の豊かな自然や美しい景観、それに富士山に関する歴史と文化を後世に引き継ぐことを目的に、「富士山の日」を制定しました。
また、先月下旬、
政府は富士山世界文化遺産登録の推薦書をユネスコに提出しました。
今後、順調にいけば来年夏頃の世界文化遺産登録実現が期待されます。
山梨県では今年初めてとなる2月23日の「富士山の日」ですが、県内ではこの日を中心に様々なイベントが予定されています。
「富士山の日」当日の2月23日には、
制定記念式典として、「~富士山を世界文化遺産に『国民運動開始式』~」が開催されます。
当日は、「富士山を世界遺産にする国民会議」の中曽根康弘会長や、
川勝静岡県知事からのビデオレターの上映、
行政と民間の力を結集して富士山の世界文化遺産登録を目指す「県民会議」の発足式、
それに国内外の皆さんから募集していた「富士山俳句」の発表や
富士山信仰に関する講演などが行われます。
皆さんもぜひご参加ください。
詳しくは山梨県のホームページをご覧になるか、山梨県世界遺産推進課にお問い合せください。
ホームページはこちらです。
また、このイベント以外にも「富士山の日」に合わせて県立美術館をはじめ県内各地で様々なイベントが開催されます。
こちらについては、県のホームページか山梨県観光資源課までお問い合せください。
ホームページはこちらです。
さて、平成21年度から2月23日を「富士山の日」と定めているお隣の静岡県でも、
「富士山の日」に「富士山の日フェスタ2012」として
「富士山世界遺産両県県民会議発足式」や「富士山世界文化遺産フォーラム」などのイベントが開催されます。
また、静岡県立美術館では、3月11日まで、収蔵品展「富士山の絵画2012」が開催されるなど、静岡県内各地で「富士山に触れ、その魅力を体感できる多彩なイベント」が企画されています。
詳しくは、静岡県のホームページをご覧になるか、静岡県文化・観光部総務企画課までお問い合せください。
静岡県のホームページはこちらです。
さて、「富士山世界文化遺産登録」をはじめ様々な取組みを、山梨・静岡両県が協力して行っていますが、県広報テレビ番組でも、連携した番組を放送しています。
第1回目は、今週の月曜日に放送しましたが、2回目は来週の月曜日に放送します。
番組ナビゲーターの私が静岡県内の富士山にゆかりのある場所を訪ねてきました。
ぜひご覧ください。
日本一の山であり、世界に誇る我が富士山。
2月23日の「富士山の日」を契機に、富士山を大切にする気持ちをより深め、山梨・静岡両県が協力し、そして国民みんなであの美しい姿を後世に残していきたいですね
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!
きょうのインデックスは・・・水源の森百選
周囲を日本一の山、富士山や、八ヶ岳、南アルプスといった名峰に囲まれ、県土の78%を森林が占める“山梨県“は「水と緑の宝庫」ですね。
森林は、清らかな水を育み、大雨や台風といった様々な災害から生命・財産を守り、
さらに、わたしたちを癒し快適な気持ちにさせてくれる働きがあります。
そんな、私たちに必要不可欠な森林の役割を紹介し、理解を深めることを目的に、
林野庁で、平成7年に「水源の森百選」を制定しました。
甲府市民への大切な水源林となっている
『御岳昇仙峡(みたけしょうせんきょう)水源の森』や、
名産ぶどうやももなどの果樹地帯への灌漑用水ともなっている『笛吹川水源の森』、
県東部地域の飲料水や、相模湖の水源になっている『小金沢(こがねざわ)水源の森』が指定されているほか、
東京都や横浜市の水源にもなっている『東京水道水源林』
『横浜市有道志水源かん養林』にも、山梨県の森林が指定されています。
これらの水源の森は、いずれも地域住民の手によって、昔から水を得るために森林を守り、育て、維持されてきました。
「大菩薩嶺と小金沢山」:小金沢水源の森は大月市の北端、相模川の源流にあり、県東部地域の飲料水や、神奈川県の水がめである相模湖の水源になっています。
自然に関する百選って多いですね~!
他にも、名水百選、21世紀に残したい日本の自然100選などで山梨県が指定されています。今度調べてみてはいかがでしょうか?
本当に自然に恵まれた場所なんですね~!
しかし、いま、森林を取り巻く環境は変化しています。
県内には、水源の森百選に指定された場所の他にも多くの森林があり、そこから多くの
恩恵を受けていますが、安価な輸入材の増加による国産財価格の低迷や、山村地域の
過疎化、高齢化により荒廃林が増加しています。
また生活様式や農業形態の変化に伴って、身近な里山林が荒廃し、野生鳥獣による
農作物への被害が増えています。
特に、民有林のうち一部の人工林では荒廃が進行し、整備が必要とされています。
そこで、県では、今年4月から「森林環境税」を導入していくことにしました。
すべての森林を所有者のみで維持・管理していくことが難しくなってきていること、整備には多額の費用が、また、持続的かつ安定的な財源の確保が必要なためです。
森林環境税は、多様な公益的機能の維持・増進を図る森づくり、木材・木質バイオマスの利用促進、社会全体で支える仕組みという、本県が目指す森づくりの基本施策に沿って
活用されます。
長い年月をかけて育まれてきた恵み豊かな森林を県民みんな守って行くため、森林環境税へのご理解とご協力をお願いします。
詳しくは、県森林環境総務課へお問い合わせいただくか、ホームページをご覧ください。
ホームページはこちらです。
さて現在、県では、この森林環境税への理解を深めてもらうため、男の子と女の子とが森の妖精に扮したテレビCMを放送しています。
ご覧になられましたか?
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!
きょうのインデックスは…甲州親子だるま
福を招き、厄を除けるお守りとしてお祭りの縁日や神社などでよく見かける「だるま」。
みなさんは、合格祈願などの想いを込めて、「片目」を書き入れ、願いが叶ったらもうひとつの目に墨を入れる、そんな経験をしたことはありませんか?
甲州親子だるまは、このような一般的なだるまとは違って、
色は白く、立派な髭を生やした「子だるま」をおなかに抱えています。
よく見ると、神棚にあげたとき、拝む人の目と親だるまの目が合うように作られています。
そして、ちょうど真ん中にある子だるまの瞳、これは
子どもの未来や、子どもが自分で目標を持ち、思った道を真っ直ぐ歩んでほしいという親心を表しています。
子だるまに描かれる立派な髭には、立身出世の願いが込められているんですよ。
甲州親子だるまの色は、かつて山梨の産業を支えていた養蚕と綿の「白い色」から来ています。
豊作を願う風習から、繭の形をした白いだるまを祀ったと言われています。
甲州親子だるまの歴史は古く江戸時代までさかのぼります。
現在の甲府市城東にあたる地域に住んでいた武井八衛門が京都から来た僧に、張り子の技術を教わって、武田信玄の顔に似せて甲州だるまのデザインの基礎を作ったとされています。
1730年代になって5代目・八衛門が「親子」をモチーフとしただるまを考案しました。
戦後になって、千葉や山梨で建築を教えていた初代・斎藤岳南さんが、建築技師から
民芸品作家に転身、甲州親子だるまの伝統を受け継ぎました。
初代・岳南さんは、甲府市横沢のだるま職人らのもとで学び、歴史的資料を考察しながら、研究を重ねました。
その功績が認められ、1995年に県伝統工芸品に指定されました。
現在、甲州親子だるまの製作を受け継いでいるのは、
甲府市在住の2代目・斎藤岳南さん(68歳)です。
先代の父親の名前を受け継ぎ、伝統を守っています。
岳南さんは、見習いのとき「学ぶといっても、直接教えてもらえることはあまりなく、
盗み見るだけだった」と話しています。
また、岳南さんは「時代の流れを見ながら、手作り品の良さを伝えていきたい」と、
思った道を真っ直ぐ歩めという親子だるまの教えを胸に、今日も郷土玩具作りに励んでいます。
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!