きょうのインデックスは…甲州水晶貴石細工
空気もすっかり入れ替わって秋色が深まってきました
まもなく紅葉シーズンを迎える昇仙峡で、およそ1000年前、水晶の原石が発見されました。
当時は原石のまま珍重されていましたが、江戸時代後期になると宝石を磨く技術が取り入れられ、甲州水晶貴石細工の歴史が始まりました。
甲州水晶貴石細工は水晶などの天然石の特徴を活かした工芸品です。
細工に使う原石は水晶、めのう、翡翠(ひすい)、黒曜石、碧玉など。
原石の種類をはじめ、沢山の石の中から作品にあった素材を選びます。
同じ原石でも石一つ一つに独特の風合いがあり、同じ作品は2つとありません。
加工は「鉄ゴマ」や「木ゴマ」と呼ばれる研磨機を使います。
透かし彫り、浮き出し彫り、深肉彫り(ふかにくぼり)、線彫り、平押し彫りと呼ばれるつの技法を駆使して手作業で丁寧に削ります。
この作業を“摺り(すり)”といって貴石細工の生命線ともいえるので細心の注意を払って
仕上げていきます。
ちなみに皇室の三種の神器の一つといわれる「八坂瓊勾玉(やさかにのまがたま)」が
甲州水晶貴石細工の原点と言われています。
江戸時代後期には、水晶や翡翠を使った数珠や帯留め、根付けなどが作られていて、産地として確立していた様子が資料に残っています。
さらに1855年に、フランスで行われた第1回パリ万博に出展され、質の高い研磨技術が
世界に認められました。
1000年もの歴史の中で、先人たちが育んできたこの研磨技術が、山梨県を名実ともに「宝石の街」に導いてきました。
現在、山梨県では12の工芸品を「山梨県郷土伝統工芸品」に認定していて、
そのうち3つは経済産業大臣が指定する「伝統工芸品」になっています。
甲州水晶貴石細工はその両方に指定されています。
県では今月11日から、都会で生活する女性などを対象にしたキャンペーン企画
「ビタミンやまなし」を展開しています。
「美容」「健康」「癒し」をテーマに山梨で体験できることなどについて、「A」から「Z」のアルファベットを26のビタミンになぞって紹介し、これらを体感してもらい、さらに山梨に興味を持ってもらおうというものです。
この中で、水晶などの貴石が含まれるのがジュエリーの「J」。
県産ブランドの「Koo-fu」やジュエリー企業などを紹介しています。
今年度は、タレントの辺見えみりさんがキャンペーンメッセンジャーを務めています。
「甲州水晶貴石細工」などの郷土伝統工芸品とともに、山梨の魅力が沢山の人に伝わっていくと素敵ですね
今回紹介した甲州水晶貴石細工をご覧いただけるお出かけ情報です!
山梨県地場産業センター「かいてらす」で水晶彫刻新作展が
今月14日(金)~23日(日)まで開かれています。
水晶彫刻品の販売も行われるそうですよ
詳しいことは、電話番号055-237-1641までお問い合わせください。
「かいてらす」のホームページはこちらです。
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!