きょうのインデックスは…「深沢七郎」
山梨が生み出した名作家、深沢七郎をご存知ですか?
深沢は、
姥捨山伝説をもとに信州の寒村に住む人たちの生活を描いた作品「楢山節考(ならやまぶしこう)」や、戦国時代の笛吹川の畔に住む貧しい農民の暮らしを描いた「笛吹川」など、数多くの作品を世に送り出した昭和を代表する作家です。
実は、深沢はギタリストでもあったんです。
大正3年、石和町市部で印刷業を営む家の4男として生まれました。
石和小学校から日川中学校(現在の日川高校)へ進学しますが、成績が振るわなかったことから、深沢は小学生の時の担任・岩間先生の家へ預けられることに。ここでの生活が深沢の転機となります。
先生の家が農家だったため、そのときから農業に親しむようになり、ギターや囲碁、映画などといった娯楽にも興味を持ち始めます。
その一方で、デュマの「椿姫」、アベ・プレボーの「マノン・レスコー」を読み感動を覚えた
深沢は、詩の制作を始めました。
中学を卒業すると、東京の薬店、パン屋に住み込みで働きますが、いずれも1週間ほどで辞めてしまいます。転々と生活する中、本格的にギターを習い始めます。昭和9年、胸を病み、その年に受けた徴兵検査では不合格となり、徴兵を免れます。
昭和14年、第1回ギターリサイタルを開催。戦時中にもかかわらず、17回も公演を行いました。
その10年後、芸名「ジミー・川上」で旅回りバンドを結成。昭和29年には、「桃原青二」の芸名で日劇ミュージックホールの正月公演に特別出演を果たします。
そんな中、昭和31年、「楢山節考」を執筆、中央公論新人賞に応募し、見事、新人賞を受賞します。その後も年に数本の割合で新作を発表し、作家としての地位を確立した深沢に、またも転機が訪れます。
中央公論に発表した小説「風流夢譚(むたん)」の内容に、民衆が皇居を襲撃する部分などが描かれた部分などがあり、右翼テロ事件が勃発します。いわゆる「嶋中事件」がきっかけで、深沢は逃亡、定住地のない放浪生活が始まります。
逃亡生活中も新作の発表を続け、昭和40年埼玉県に新しい定住地「ラブミー農場」を開きます。その後も様々な事業に取り組みますが、昭和62年、病に倒れ、その破天荒な人生に幕を閉じます。
さて、県立文学館では、この秋、
深沢七郎の企画展「深沢七郎の文学 『楢山節考』ギターの調べとともに」の開催が予定されています。
夏の企画展では特設展「手紙を書こう 作家の手紙をお手本に」(7月23日~8月28日)が開かれます。
この夏、深沢七郎をはじめ、山梨ゆかりの作家の作品に触れてみてはいかがでしょうか。
山梨文学館のホームページはこちらです!
最後に、山梨県からのお知らせです。
県では「やまなし節電県民運動」を展開しています。
県民の皆様には、一層のご理解とご協力をお願いします。
詳しくは、山梨県ホームページをご覧ください。
県民一丸となって頑張りましょう!
山梨県のホームページはこちらです。
「やまなしINDEX」を放送後にホームページでもお聞きいただけます。
是非お楽しみ下さい!
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