きょうのインデックスは・・・冨嶽三十六景
富士山を題材に描かれた「冨嶽三十六景」と言えば、作者は葛飾北斎ですね。
「葛飾北斎」は、日本を代表する浮世絵師として、世界的にも高い評価を受けていて、
西洋画家の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホなど多くの芸術家に影響を与えたと言われています。
さて、この「冨嶽三十六景」、当初、題名の通り36点の予定でしたが、発表後の爆発的な人気を受け、後に10点が追加され、最終的には46点となりました
斬新な技法や北斎独特の視点構図で描かれた作品には、情景豊かに地域の人々の生活も描かれ、今もなお、人気を博しています。
そんな「冨嶽三十六景」には、山梨県内から描かれた作品が点あります。
その内のひとつ、現在の富士川町から描かれた「甲州石班澤」は、荒れる富士川と、泰然とした漁師の姿の対比が素晴らしく、北斎の「藍摺り」の最高傑作ともいわれています。
藍摺りとは、当時、流行していた輸入顔料「プルシャン・ブルー」を使った、藍色一色の
浮世絵版画のことで、流行の変化と共に、多色摺りに変えられたりもしています。
また、御坂峠から描れた「甲州三坂水面」は、富士山の姿と、河口湖に映る逆さ富士が印象的な代表作です。
景色は夏なのに水面に映る逆さ富士は、雪を戴く冬の姿になっていて、
北斎の遊び心・・・奇抜な発想がうかがえる作品です
県内から描かれたほか4点についても、富士の姿が個性豊かに描かれています。
作品が描かれたとされる地域からは、現在も富士山の姿を見ることが出来ますが、作品に描かれた姿と実際に見える姿は違っており、その独特の表現方法こそが、葛飾北斎の真骨頂と言われています。
現在、山梨県立博物館では、開館5周年を記念して、
「葛飾北斎 生誕250年記念特別展・北斎の冨嶽三十六景」が開催されています。
(~5月9日まで)
シリーズ全46点や、山梨にゆかりのある作品が展示され、北斎の観察眼や人物像、
また、山梨との関わりなどが紹介されています。この機会にご覧ください。
山梨県立博物館のホームページはこちらです。
石河アナは今回の放送をもちまして番組を卒業させていただきます。
お聞きいただきありがとうございました。
次回から、村松優里香アナウンサーがお送りします。
今後ともよろしくお願いいたします。