きょうのインデックスは・・・「甲州小梅」
春に近づき、梅の花もだんだん見頃を迎えていますね
果実としての“梅”といえば、紀州・和歌山県をイメージするでしょうか?
実際、平成21年の収穫量は、やはり和歌山県が1位で国のおよそ6割を占め、山梨県は7位でした。
山梨の“梅”の歴史ですが、1800年代に発行された『甲斐国志』によると、19世紀には、“小梅”が世に出ていたことがわかります。また、武田信玄にちなんだ伝説などが残る樹齢数百年を経た古木が県内各地にあって、“梅”栽培の歴史は古いようです。
しかし海の無い山梨は、塩の入手が困難だったので、日本人の食生活に欠かせなかった“梅干し”の生産が発展することはなく、本格的な栽培には至りませんでした。
栽培が本格化したのは国鉄の中央線が開通した明治36年以降。
そして太平洋戦争の時には軍の調達に応えて盛んに栽培量が増加していったそうです。
また健康食品ブームにより、平成2年には収穫量が4,000tもありましたが、現在、収穫量は減少傾向にあります。
山梨の梅と言えば「甲州小梅」ですよね。
「甲州小梅」は、1個4~6グラム程度と小さく、味がよいという特徴から、梅づけや梅干しが多く作られています。また、梅酒・ワイン・ジャムなどにも加工されています。
県内でも梅の栽培が盛んな甲斐市にある「農事組合法人ゆうのう敷島」は、地元農家からなる法人で、「梅の里」と呼ばれる大規模な畑での梅の栽培や、梅の加工品の生産を行っています。
また、すぐ近所には同じ組織が運営するクラインガルテンもあります。
クラインガルテンとは、農地を持たない人たちが自家消費を目的に、野菜や花を育てる市民農園のことで、クラインガルテンの皆さんが梅の里で収穫体験をすることもあるそうです。
「甲斐敷島 梅の里クラインガルテン」のホームページはこちらです。
県内では、大小さまざまなクラインガルテンが整備されていて、県でも、増加する耕作放棄地の有効活用として、このような市民農園の整備を推進しています。
また、「甲州小梅」は、県が普及を奨励している「推奨品種」となっています。
花は美しく、食べておいしい甲州小梅。
地元の特産品の栽培を通して、耕作放棄地の解消にもつながればいいですよね