きょうのインデックスは・・・「富士見」
日本の最高峰にして、左右対称という姿の美しさから、日本人だけでなく外国人からも広く愛される
富士山。
この富士を愛する心、富士へのあこがれは、今に始まったことではなく、古くから日本人が持つ心情でもありますよね
例えば、日本最古の和歌集『万葉集』で山部赤人は
「田児の浦ゆ うち出でて見れば 真白にそ 不尽の高嶺に 雪は降りける」
と詠んだり、
江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の「富嶽三十六景」(制作期間:1823~1831年)は、国内外にあまりにも有名です。
北斎の「富嶽三十六景」は、その後、
歌川広重の「不二三十六景」、歌川芳国の「東都富士見三十六景」へと、富士山をモチーフにした美術作品として引き継がれました。
西洋でも画家、ヴィンセント=ファン=ゴッホが油絵で、作曲家ドビュッシーは、交響詩「海」を作曲する際に、「富嶽三十六景」の富士山に着想を得たといわれ、海外のアーティストにも影響を与えています。
また、「蝦夷富士(羊蹄山)」や「薩摩富士(開聞岳)」などの「○○富士」と呼ばれる郷土富士が各地にあったり、富士山が見える場所は、「富士見通り」と呼ばれたり、
「埼玉県富士見市」、「長野県富士見町」など、「富士見」という地名が残っています。
小菅村 松姫峠から見た富士
近年は、富士山が見える名所として
「関東の富士見百景」(国土交通省)、「甲斐富士見三景(御坂峠・花水坂・西行峠)」、
「秀麗富嶽12景」(大月市)が選定されていて、登山客や写真愛好家の人気が高まっています。
さて、富士見の名所も多い郡内地域。
この地域のJR駅を管轄するJR東日本、そして、山梨県、大月市、上野原市は、ウオーキングや登山愛好家の集客を目指して「山梨県東部JR8駅トレッキング推進事業」を進めています。
郡内地域のJR駅は、東から順に、上野原、四方津、梁川、鳥沢、猿橋、大月、初狩、笹子の各駅。
このJR8駅を発着、経由するトレッキングコースを設定して、遊歩道の整備等が行われています。
山梨は首都から近いですし、近年は登山ブームですからね。
この事業の対象地域には、葛飾北斎が描いた『富嶽三十六景』の「甲州犬目峠」、
また、『関東の富士見百景』の「岩殿山丸山公園」・「小金沢シオジの森」、
そして、『秀麗富嶽12景』など、富士見の名所も多く入っています。
葛飾北斎「甲州犬目峠」
秋、涼しくもって、いよいよ紅葉シーズンに!
汽車の旅、そしてトレッキングで是非、さまざまな富士の姿に触れていただきたいと思います。