今日のインデックスは・・・「ジベレリン処理」。
山梨では、「種無しぶどう」を作るための作業として知られています。
「ジベ処理」と言った方が、なじみがあるでしょうか。
この季節、山梨の風物詩ですね
新緑のぶどう畑
このジベレリン処理による「種無しぶどう」の技術、実は偶然による発見だったんです。
今から50年ほど前、現在の笛吹市春日居町にあった県の農業試験場で、デラウェアの房を長くしようと、成長促進作用のあるジベレリンでの処理をしたところ、実が「種なし」になったそうです。
その成果から研究が進められ、「種なし技術」が確立されていきました。
「種なしぶどう」の技術は、山梨で生まれたんです。
このジベレリン処理、ぶどうを「種無し」にして食べやすくなるのはもちろんですが、実を大きくさせるとともに、生育も早める働きがあるので、需要が高まるお盆シーズンの収穫が可能になり、山梨のぶどう生産量を大きく伸ばすこととなったのです。
ジベレリン処理は、処理溶剤をカップに入れ、一房ずつ浸していくのですが、処理溶剤は無色透明なので、作業をしているうちに、どの房が処理溶剤に浸したものか判らなくなってしまいます。
そこで、処理溶剤に食紅を混ぜることで、房にも色が付き、判別できるようになりました。
しかし、ジベ処理の時季になると、食紅の入った処理溶剤が作業着や手や腕、顔にまで付いてしまい、ぶどう農家の皆さんは食紅で真っ赤になってしたとのことです。
現在では、専用の食紅を使用したり、処理溶剤が手首のところで止まる手袋が開発されたりしたので、昔のようには、真っ赤にはならないそうです。
この手袋で以前より作業がしやすくなっています。
ジベ処理は時期をずらして2回行われます。
回目は種無しにするためで、回目は実を大きくするため。
一房、一房、地道な作業ですよね
山梨が誇る、ぶどうの産地・勝沼では、中学生がジベレリン処理を手伝う行事が、40年以上も続いています。
今年も5月の下旬に、勝沼中学校の2年生が、ジベ処理を体験しました。
生徒達からは、「腕を上に挙げ続けての作業は疲れるけど、学校の授業より楽しい。」とか、「ぶどうの栽培は、大変なことだとわかった。」といった感想が聞かれました。
先人たちが築いた、ぶどう栽培の歴史や技術を、特産地ならではの体験を通して学ぶって、素敵なことですよね。
一房、一房・・・大変な作業です。
農家の皆さんが手塩にかけて育てた山梨のぶどう。
ぜひ、県外の方へ贈ってみてはいかがでしょうか? きっと喜ばれますよ
山梨県外の方は、ぜひぶどう狩りにいらしてください!