第587回山梨放送番組審議会

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1.開催日時
 2015年8月26日(水曜日)午後2時30分~午後3時40分

2.開催場所
 山梨放送本社六階大会議室(甲府市)

3.出席者
・第57期山梨放送番組審議委員
  田中好輔委員長
  五緒川津平太副委員長
  市村悟委員
  河原理子委員
  木田和委員
  山村宏樹委員
 (欠席)
  田中克直委員

・山梨放送
  代表取締役社長・野口英一
  取締役副社長・中村一政
  取締役常務・望月俊相
  放送本部長・吉岡俊昭
  技術担当・八巻信也
  ラジオ本部長・有泉裕人
  審議室長・土橋巧

4.報告
 ・9月期のラジオ、テレビ番組編成の説明
 ・7/27-8/23の間に視聴者から寄せられた問い合せ、意見、苦情等の概要

5.審議
 【議題】
 YBSテレビ 戦後70年報道特別番組
   『戦後は終わったか ~旧豊村満州開拓団の悲劇~』
    (2015年8月9日 日曜日 15時00分~15時55分放送)

 主な意見は次の通り。

■意欲作であり、取材の蓄積を感じた番組であった。この出来事を山梨の人だれでもが知っているわけではなく、繰り返し取り上げることに異議がある。

■映像の中には古いフイルムがあったが、豊村のいつの時代のものかが不明であった。またイメージ映像の使用があったが、実際の映像かイメージなのかごっちゃになってしまっていた。確かに古い時代のドキュメント制作には制約があるだろうが、イメージ映像が混じると、制作者の事実の探求心が緩んでしまうのではないか。さらに図書資料のクレジットも、あるものと無いものがあった。

■なぜ追いつめられて死のうとしたかのか分からなかったが、これは作り手も附に落ちなかったのではないか。肝がしっかりしていれば、番組の求心力が増したと思う。70年以上前のことであり、分からないことは分からないとした方が良いのではないか。

■インタビューに登場した人が話しをしてくれるまで取材を続けたことに感激した番組だった。こういう証言を、この方々がいずれ亡くなってしまわれる前に収録できたことが素晴らしい。

■山梨の子どもたちは教育で戦争について勉強するものの、それは広島の原爆であったりすることが多い。(今回の番組のように)戦争の出来事を身近にとらえられるような取り組みをしてほしい。

■番組のまとめ方として、なぜ、このような悲劇が起きてしまったかを取り上げてほしかった。物足りない感じを受けた。

■番組の中では登場人物が甲州弁で語るが、方言がこのようにしっかり伝わるのは、活字では出来ないことだと思った。

■この番組のターゲットをどこに置くかによって、今回の放送時間が適切であったかを検討、検証してほしい。子どもが見る時間帯ではないだろう。再放送を望む。

■8月になると、この国は不戦、反戦を心に誓うシーズンとなるが、これを後付けする意味でインパクトのある番組であった。しかし生き証人の記録を残すには寿命が近づいており、このような取材を急ぎつつも丁寧に拾っていく努力を求める。こうした出来事の原因はどこにあったのかを(番組は)求めていかないといけないし、これからの安全保障を考えるよすがにしていかないといけない。

■戦後の現代史の教育は貧弱でありタブー視されてきたが、これを直視して考える材料を提供することが大切であり、そういうスタンスを番組作りに取り込んだらいかがか。

6.次回
 次回(第588回)は9月30日に開催予定です。

 

以 上